「 スイートヴァイオレットとすみれの妖精の香水瓶 」

 

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とてもうれしいことがありました。

 

 

きのうの朝、ウグイスの愛らしい鳴き声に耳を傾けながら
お庭の植物たちを見て回っていると、
緑の葉っぱの群れの中に、
小さな小さな紫色の花が咲いているのを見つけたのです。

 

 

胸がドキンと高鳴るのを感じました。

 

 

スイートヴァイオレットの花だわ!

 

 

 

 

 

 

その昔、本の中で出会った、
『スイートヴァイオレット』という、すみれの花。

 

 

ニオイスミレという別名を持つこの妖精は、
それはそれは美しい香りを放つそうです。

 

 

それを知ってからというもの、
いつか、そのすみれの香りをかいでみたいと思っていました。

 

 

何でもすぐに調べられて、あっという間に手に入る時代。

 

 

でも、私の魂に響くものは、
いつも、ゆっくりと、心地よい時間を重ねて、
素敵な物語をつむぎながら、私のもとに届くような気がします。

 

 

その時も、私は自分の想いを大切にして、
「とにかく早く願いを叶えること」ではなく、

 

 

スイートヴァイオレットの香りをかいでみたいという私のこの願いが、
一体どんな物語を連れてきてくれるのか、その展開を楽しんで待ちましょう、

そんな思いから、心の宝箱の中に、そっとその願いを入れました。

 

 

 

 

 

昨年の5月、愛する人と出かけた旅先で、
その妖精は、私のことを待っていてくれました。

 

 

「こんにちは、フェアリーリリア。」

 

 

その時の喜びを、一体何と言葉にしてよいのか。

 

 

私は隣にいた愛する人に向かって言いました。

 

 

「ダーリン、スイートヴァイオレットよ。
私、ずっとこの花の香りをかいでみたいと思っていたの。」

 

 

まだまだ緑の葉っぱだけの小さな苗。

 

 

想像すること、心の中でその姿を思い描くことを楽しんでいた私は、
その花の写真を探して見てみる、ということすらしていませんでした。

 

 

あなたは、どんな花を咲かせるのかしら。

 

 

そして、どんな香りを放つのかしら。

 

 

私は、それを、自分自身で確かめてみたい。。。。。。

 

 

 

 

 


リリアの森には、もともとこの森にいた野生のすみれたちしかいません。

 

 

新しい緑の友人を迎え入れる時、
私はいつも、ここに自然に自生している植物たちに、お伺いをたてました。

 

 

新しい友達をお迎えしてもいい?

 

 

彼らの答えは、
「フェアリーリリア、あなたがそれを心から望むのなら、もちろんOKよ。」
だとわかっていましたが、
それでも、彼らの気持ちを尊重したい、
自然界は、バランスがとても大切だから・・・と私は常に思っていました。

 

 

ある時、スイートヴァイオレットをいつかこの森にお迎えしたいという想いを
野生のすみれの妖精たちに打ち明けると、
彼女たちは、目を輝かせてこう言いました。

 

 

「スイートヴァイオレット!聞いたことがあるわ。」

 

 

「うっとりするような甘い香りを漂わせるって。」

 

 

「私も会ってみたい!」

 

 

「同じすみれの妖精の仲間だもの。
きっと仲良くなれるわ。」

 

 

ひとしきりおしゃべりが盛り上がった後、
彼女たちは声を合わせて言いました。

 

 

「そして、新しい創造がはじまるの!」

 

 

 

 

 


その時の会話を思い出しながら、
私は、直感で2つの苗を選んで、森に連れて帰りました。

 

 

夏が来て、秋が来て、冬が来ました。

 

 

新しい年が明けると、
森はそれまで体験したことのないくらい寒い日が続き、
いくら、すみれが寒さに強いといっても、あんなに何度も凍ってしまって
大丈夫かしらと、ハラハラしました。

 

 

植物を育てるのは、まるで子育てのよう。

 

 

手をかけすぎてもいけないし、放置しすぎもよくない。

 

 

その子の力を信じて見守ることが大切だとわかっていても、
なんだか気になってしかたがありません。

 

 

あらまぁ、育てられているのは、私の方ね、というところまでそっくり。。。。。

 

 

 

 

 

森にやってきた時、ほぼ同じ大きさだった2つの苗は、
やがて、どんどん差がついていきました。

 

 

片方は、元気いっぱいで葉っぱが茂っていくのに、
もう片方は、ちんまりと小さくなっていきます。

 

 

秋には、長雨が続き、どしゃぶりの日もあり、
鉢をかかえて、慌てて軒下に持って行ったことも数知れず。。。。

 

 

 


2月。

 

 

野生のすみれたちが次々に咲き始めました。

 

 

可憐で美しいのに、生命力あふれるその姿は、何度見ても感動します。

 

 

それに対して、スイートヴァイオレットの小さな苗の方は、
もう風前の灯でした。

 

 

一体何がいけなかったのかしら・・・・・

 

 

力なく横たわる、茶色い葉を見て、
私は申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 

 

もっと何かできることがあったんじゃないかしら、
それとも、何かをやりすぎてしまったのかしら。。。。。

 

 

耳を澄ませば、もう間もなく、宇宙の源に還ろうとしているような、
かすかな息遣いが聞こえてくるような気がしました。

 

 

それでも、どうしてもこの子のことがあきらめきれず、
私は、最後に、これとこれをして、
後は、すべてをゆだねようと決めました。

 

 

 


土の上に、もみがらのお布団をかけ、
部屋の東側の窓の下に連れていきました。

 

 

ここは、毎朝、最初にお日さまがあたる場所です。

 

 

庭にいる、元気なエンジェルダックに踏まれてしまわれないように、
囲いを置きました。

 

 

外に出ては眺め、部屋の中からのぞき、
2月にしては、めずらしいほどあたたかな日が数日続いた後、
私はその変化を目の当たりにして感嘆の声を上げました。

 

 

いくつかの葉っぱが、しっかりと持ち上がり、
その真ん中で、赤ちゃんのような小さな葉っぱが、
くるくると渦巻きながら、生まれていたのです。

 

 

生き生きとした緑色は、その小さな妖精が、
息を吹き返したことを意味していました。

 

 

もう大丈夫だわ。。。。。

 

 

私は、そう確信しました。

 

 

 

 


3月。

 

 

いつもよりずっと遅い、ウグイスの初鳴き。

 

 

いつの間にか畑で広がっていることに気づいた、大好きなひよこ草。

 

 

春の女神のやわらかな抱擁は、あらゆる命に届き、

この森で生きる、幾千万の存在たちが、その恩恵にひたります。

 

 

私も、そして、この森で初めて春を迎える小さな妖精も。。。。。。。

 

 

 

 

 

ここ最近で、一番あたたかい3月最初の日曜日、
いつものように、庭の植物たちに朝のあいさつをしようと、
窓辺の下の鉢の方を見やった私は、目を瞠りました。

 

 

緑色の葉の中に、「緑色ではない何か」があるのが見えます。

 

 

夜明け前のまだ暗い空のような深い深い紫色。

 

 

胸がドキンと高鳴るのを感じました。

 

 

次の瞬間、私は、まっしぐらに駆け寄ると、
ひざまづいて、鉢を目の高さまで持ち上げました。

 

 

そこでは、開きかけたスイートヴァイオレットの蕾が
はじらうようにうつむいて、風に揺れていました。

 

 

リリアの森の野生のすみれたちとは、はっきりと異なる
青みがかった宝石のような紫色。

 

 

これが、スイートヴァイオレットの花・・・・・

 

 

ほんのわずかに開いた花弁は、
私に向けて心を開いてくれた、
その妖精のハートそのものを表しているような気がしました。

 

 

 

 

いつか、その花の香りをかいでみたい。。。。。

 

 

今から何年も前に、心の宝箱に入れたあの願いが、
幸せに叶う時がやってきました。

 

 

私は、深呼吸すると、
ゆっくり、ゆっくり、顔を近づけていきました。

 

 

それとは逆に、

胸の鼓動の方は、どんどんはやくなります。

 

 

花が鼻にくっつくほど近づいたその時、
その香りが、ふわっと私の中に入り込んできました。

 

 

ああ、なんという香り。。。。。。

 

 

その香りは、一瞬にして、私の魂にまで届き、
私は、そのかぐわしい香りに魅了されて、うっとりと目を閉じました。

 

 

これが、スイートヴァイオレットの香り。。。。。

 

 

まるで、香水のよう・・・・・

 

 

そう思った時、私は、ひとつのクリスタルのことを思い出しました。

 

 

すみれの妖精の香水瓶と名付けた、
夢のように美しい繊細なアメジスト。

 

 

強いインスピレーションを感じて、私は顔を上げ、
いったん部屋に戻ると、
その繊細なアメジストを連れて、
今度は、再び可憐な妖精のもとに向かいました。

 

 

私は、夢と魔法が結晶化したかのような
美しいそのアメジストを見つめながら言いました。

 

 

「あなたは、この時を待っていたの?」

 

 

「そうなのね。」

 

 

時が満ちたのだわ。。。。。。。

 

 

私は、淡いゴールド色に輝く、その香水瓶の蓋を心の中で開けると、
スイートヴァイオレットの花のもとにアメジストを差し出し、
やさしく触れさせました。

 

 

スイートヴァイオレットの妖精の魔法と、その香りを、
この香水瓶の中に。。。。。。

 

 

それは、リリアの森にやってきた、スイートヴァイオレットの妖精が、
私のクリスタルに授けてくれた、最初のブレッシングでした。

 

 

 

 

 

その日の夜、いつもより早くベッドに入った私は、
幸せに満ちあふれていました。

 

 

その日の素敵な出来事のことを、クリスタランに綴っておきたいとも思いましたが、
よほどエネルギーが動いたのでしょう、
もう眠くて眠くて、それどころではありません。

 

 

私は、眠りに落ちる前に、もう一度、
あの美しいスイートヴァイオレットと、
すみれの妖精の香水瓶のことを思いました。

 

 

これで、このタイミングで、すみれの妖精の香水瓶が、
ご縁のある方と妖精のリボンで結ばれたら、びっくりだけれど、
さすがにそれは出来過ぎよね。

 

 

私は、あたたかいベッドの中でクスクスと笑い、
毛布を顔までひっぱり上げて、その中にもぐると、
親鳥に守られる小鳥のように、何とも言えない心地よさと安心感が
自分を包み込むのを感じました。

 

 

今日も素敵な一日だったわ。

 

 

おやすみなさい。。。。。。

 

 

 

 

 

 

翌朝、森の奥のポストに、1通の手紙が届いていました。

 

 

 

 

 

『リリアさんへ
夢見るすみれの妖精の香水瓶を、やっとお迎えに参りました』

 

 

 

 

 

 

驚きのあまり、しばらくそのまま放心状態になりました。

 

 

 

信じられない。。。。。。

 

 

 

 

次に、私の瞳から、涙があふれ、
言葉にならない感動が、全身をさざ波のように駆け巡っていきました。

 

 

 

 

 

信じられないけれど、信じられる。

 

 

だって、私たちは、魂の家族だもの。

 

 

 

 

 


私は、すみれの妖精の香水瓶を手のひらにのせると

ささやくように声をかけました。

 

 

「とうとうあなたのお迎えが来たわ。」

 

 

そして、すみれの妖精の香水瓶と一緒に、
スイートヴァイオレットのもとに行きました。

 

 

昨日よりも、また少しだけ開いて、
上の2枚の花びらが、まるで妖精の羽のように広がっています。

 

 

そこには、リリアの森に降った春の雨が、
かわいらしい水の雫を作っていました。

 

 

妖精たちの魔法が宿った、その「すみれ水」をアメジストの香水瓶につけた時
私は、これで、この香水瓶が、

本当の意味で、『すみれの妖精の香水瓶』になったことを知りました。

 

 

スイートヴァイオレットの花は、
これから、下の3枚の花びらが、さらに開いて、
よりいっそう、すみれらしい姿になるでしょう。

 

 

私はその花を愛でながら、魂の家族のことを想い、

クリスタルの旅立ちの準備をするでしょう。

 

 

この物語を、私の大切な人に捧げたいと思います。

 

 

すみれの妖精の香水瓶を迎え入れてくださる、素敵な魂の家族に。

 

 

そして、次の物語を一緒につむいでくださる、妖精の心を持つあなたに。

 

 

 

 

 

 

 

 



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