「 愛しくも幸せな月夜 」

 

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閉ざされていた扉が、私たちの前で開いた。

 

 

「リリア、完璧だね。」と、隣で私の愛する人がささやいた。

 

 

中に入った私は、まっすぐに進み、あるところで足がとまった。

 

 

見上げた先に、大きなひとつのクリスタルがあった。

 

 

私の瞳が、あるものを見つけて輝いた。

 

 

「タントリックツインだわ。」

 

 

まるでカウアイの山のようなそのクリスタルには、
仲良く並ぶ、2つの先端があった。

 

 

運命のクリスタルに出会う時は、いつもこうだ。

 

 

見えない何かが、宇宙の大いなる愛が、
あらゆる力を総動員して、私を導く。

 

 

私は、「引き寄せる」という表現はしない。

 

 

私たちは、「呼び寄せ合う」のだ。

 

 

 

 

 

見た瞬間、天が贈ってくれたクリスタルだとわかった。

 

 

感激する私に向かって、愛する人が言った。

 

 

「素晴らしいクリスタルだね。
僕がプレゼントしてあげるよ。」

 

 

その言葉を聞いて、私の喜びは、頂点に達した。

 

 

「実を言うとね、宇宙にお願いしてたんだ。
カウアイで、リリアの誕生日プレゼントになるクリスタルを見つけたいって。
きっと何かしら見つかると思っていたけれど、
まさか、こんなに素晴らしいクリスタルに出会えるなんて。」

 

 

 

 

 

それは、私たちがこよなく愛する、カウアイの聖なる山を象徴するような
美しくもやさしいタントリックツインだった。

 

 

クリスタルの中には、透明な層がつくり出す幻想的な山があり、
正面から、それがよく見える。

 

 

レムリアの渓谷から湧き出す霧を思わせる、
ふんわりとした白いボディ。

 

 

光を浴びて浮かび上がる、いくつもの虹。

 

 

 

 

 

その日の夜、私たちは、プルメリアの木に囲まれた清らかな泉の中で、

一緒に星を見上げた。

 

 

泉のそばでは、カウアイの聖なる灯が、海から吹く風を受けて、揺らめいている。

 

 

しばらく星を眺めては、時折、目線を下げ、私の大好きな花を見つめた。

 

 

天に向かって咲く白いプルメリアの花は、辺りが暗くなった夜でもよく見える。

 

 

私たちは、昼間の出来事について語り合い、幾度も驚きと喜びを分かち合い、
そろそろ出ようかと、泉から上がった。

 

 

そして、足元をよく確かめながら、歩き始めた時だった。

 

 

誰かが、感情のこもった声で、
「オーゥ、ビューティフル・ムーン・ナイト」とつぶやくのが聞こえた。

 

 

空を見れば、月が煌々と輝き、海には、『月の道』ができている。

 

 

それは、夢のような光景だった。

 

 

私たちは、時の経つのも忘れて、目の前に広がる景色を眺めた。

 

 

 

 


響き渡る波音に包まれながら、好きなだけその情景に見とれた後、
私は、バースデーの贈り物として受け取ったあの大きなタントリックツインと、
森から連れてきたクリスタルたちのことを思った。

 

 

この月の光を浴びさせてあげたい・・・・・・

 

 

私がそう告げると、愛する人は、「ぜひ、そうしようよ。」と言った。

 

 

部屋に戻ると、私は、クリスタルをゆっくりと見回した。

 

 

今回はたくさんのクリスタルを連れてきているので、
これを全部持って行くとなると大変だ。

 

 

「本当は、全部を連れ出してあげたいけれど。。。。。。
どの子にしようかしら・・・・・」

 

 

私が考えていると、愛する人が、

 

 

「全員連れて行こう。
僕がこの箱に入れて、全部持つから大丈夫だよ。」

 

 

と声をかけてくれた。

 

 

 

 

 

私たちは、草の上に腰を下ろし、
カウアイの大地から生えるしっとりとした緑の上に、

クリスタルをひとつずつ並べ始めた。

 

 

クリスタルを手にするごとに、
これは、こんなクリスタルなのよ、と私の説明が入る。

 

 

クリスタルのことになると、私の口から流れるように言葉があふれる。

 

 

私の中にあるクリスタルへの愛が、そうさせるのだ。

 

 

 

 

 

クリスタルをすべて並び終えると、
私たちは手をつないで、月を見上げた。

 

 

心地よい風が吹き、さざ波の音が聞こえる。

 

 

そばにある、ぴったりと寄り添い合って風に揺れる2本のヤシの木は、
まるで私たちのようだ。

 

 

「リリア、クリスタルがすごく喜んでいるのがわかるよ。」

 

 

「本当ね。みんな、とてもうれしそう。」

 

 

私は、クリスタルたちをそっと撫で、
また月を眺めた。

 

 

まわりには、誰もいない。

 

 

つい先ほどまで、あれほどクリスタルについての言葉が出てきたのに、
もう何の言葉も浮かばない。

 

 

カウアイの静かで美しい月夜。

 

 

こんな景色は初めて見るのに、どこか懐かしい、愛しくも幸せな月夜。

 

 

この世界は、なんと美しいのだろう。。。。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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